皆さんは「蔵前」という地名から何を連想されますでしょうか?
少しお年を召された方は「お相撲!」と答えるかもしれませんね。
いまは両国にある国技館は、昔は蔵前にあったんです。「蔵前国技館」という語句をみて違和感を感じないのは40歳以上の方ですかね。
また、古くはこの蔵前は「おもちゃの街」と呼ばれ、江戸通りには多くの「おもちゃ問屋」がひしめき、大層な賑わいをみせていたとのことです。
このことについては私も最近まで知りませんでした。
空疎な掴みから話題を始めましたが、私はこの蔵前の、とあるハンバーガーショップの噂を聞いて、この蔵前にランチをしに来たのでした。
ただ、これは普段からの私の悪い癖なのですが開店時間を勘違いしてしまっており、辿りついたとき、お店はまだ開いていなかったので、腹ごなしに近所をぶらぶらとウォーキングしようと思い立ち、ぶら・・・っとしかけたくらいのタイミング(つまり全然歩いていない)で、このレトロなお店を見つけたのでした。
昭和のアパートかよ!な店構え!その名も「蔵前元楽総本店」
いかにもくぐりたくなりそうな暖簾、そしていかにもキャッチーな「ぶためし」の威圧的な立て文字!
なんの店かもよくわかりませんが、間違いなく「ぶためし」と呼ばれる肉ドンブリみたいなメニューはあるはず。
「よし!おれ吉野家も松屋も大好きだし!」というスーパー安易な根拠だけを味方に、とりあえずお店に入りました。
お店の中の風景はもちろん写真には撮りませんでしたが、いまから言葉のみでホンワカに解説しますね。想像を膨らませて読んでください。
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暗がりのなか、コの字の木製テーブルにたくさんのオッサン(食事客)が腰を掛け、背中をひしめき合いながら、ひたすら無言で飯を食っていました。
そして、コの字の奥の厨房にいるのは完全に高齢の、これまたオッサン店員の皆さん。町内会の祭りでお神輿を担いでいるみたいに、大声で声を掛け合いながらテキパキと調理をしています。
女性っ気なしの男のための男の飯場・・・・みたいな感じ。
もしかしたら、常連の方々は違う印象を持たれていて「おい!ちがうよ!そんな店じゃないよ」というかもしれませんが、私が訪れた「あの日あの時あの場所」は、まぎれもなくそういう店内でした(笑)
誤解しないでくださいね。ディスっているんじゃありません。誉め言葉です。私はそういうお店だいすきなので。
暖簾をくぐって店内を一瞥した後、入口脇にある券売機でメニューを選び、券を購入します。
知らないお店に入って、券売機で購入するときの私のセオリーは「一番上の一番左側のメニューを選ぶ」これに尽きます。まずこの位置が間違いなく「お店のイチオシお薦め」だからです。
「特製元らーめん ぶためし」(950円) これ一択です。
ラーメンと肉ご飯がセットで頂けるというわけですね。
「ぶためし」はドンブリがゴージャス!味はまあまあ!
カウンターに座り、食券を渡すと、目の前で繰り広げられる「神輿男」のような男気あふれる店員さんたちの飯をよそう姿、ラーメンを盛り付ける姿、食器を洗う姿がカブリツキで見られます。しばらくはその「プロの仕事」を興味をもって眺めましたが、5分もすると飽きたので(笑)スマホのヤフーニュースを見始めました。
そこに到着したのが「ぶためし」です。
ドンブリが澄んだ青を基調としていて美しい!自宅に欲しい!
そんな感じのファースト・インプレッションでまずはこの一品に対する好感度が爆上がりです。
料理は器も大事だよ。
ドンブリばっかり見ていても仕方がないので、次は「ぶためし」それ自体に視線を向けます。
ダシに馴染んだご飯に、細切れとなった豚肉、そしてネギ、海苔の千切りを最上階にまぶしています。
量もラブリーサイズで多すぎず、少なすぎず、香ばしい香りがかすかに鼻を突きます。
壁の指南書きをみますと「タレ」と「ごま油」を適度にかけて食べなさい、と教えてくれているので
云う通りにかけてみました。
そして「混ぜてください」というので、これも言うとおりにしてみました。
香りがさっきよりはっきり鼻腔を突きます!美味しそう!!
と、いうわけで戴きました感想ですが・・・「まあまあ」でした。
美味しかったですよ。それは間違いありません。ガツガツ食べて即時に完食しました。
でも「ここだけの味か?」「またこれを食べに蔵前まで来るか?」と訊かれたら、こたえはノーです。
フツーの美味しさ、フツーの味わいです。満足はできましたが感激はしなかった・・・、という表現でだいたいのニュアンスをご理解いただけたら、と思います。
因みに、ジブン的には2つほど反省点がありました。
「我!過てり!」です。
①「タレ」と「ごま油」をかけないで食べてみて、かけた場合と比較すればよかった。
②ご飯を少し残しておいて、セットのラーメンのスープをまぶして食べたかった。
特製元らーめん!背脂ギトギトでしょう!でもそこが好き!
ガツガツと「ぶためし」を食べ進んでいるところに、セットのもう一つのメニューである「特製元らーめん」が運ばれてきました。
でも、ちょうど「ぶためし」と格闘中で、もうすぐ完食の目途がつく段階でしたのでラーメン君にはちょっと机の上で待っていてもらいました。放置プレイ・・・。
まったくの余談ですが、なんで「放置」という言葉を使う時「放置プレイ」って言いたくなるのでしょーか?
あ!ワタクシだけかっ(恥)
やがて「ぶためし」を征伐し終わって、いよいよ「特製元らーめん」とのご対面です。
背油が凄すぎです!
器の端っこまで、白い油がギトギトのベトベトにこびりついており、少し指先を触れただけでヌルーリっという表現の相応な感触がします。
「いまから俺、この脂の塊を食うのか??」という覚悟のようなものが心によぎります。
こういう脂が器にも麺にも飛んじゃっているラーメンのことを「背脂チャッチャ系」という分類で
呼ぶそうですが言い得て妙ですね。たしかに脂が「ハッチャけてる」感じです。
脂がのっているというより「バラまかれている」という印象がふさわしいです。
麺にももちろん脂がコーティングされていて、ネトネトとギトギトの間を彷徨うかのようなこってり感が、そのまま食感として、喉越しに心地よいです。
チャーシューはおそらく「ぶためし」の豚さんと同一食材?親和性を感じました。
この「特製元らーめん」につきましては大満足!私の好きなテイストでした。
さすがにスープの飲み干しはしませんでしたが「これが最後のひとくち」と心に決めながら、それからも4~5回ほど名残惜しくレンゲでスープをすくってチマチマとすすってしまいました(笑)
ところで、このお店は「元楽」ですが、元ラーメン=醤油なのだそうです。楽ラーメンは塩。
今度は塩のほうも一度味わってみたいものです。
さいごに
訪れるはずだったお店に入れず偶然飛び込んだというだけでも、すこし大袈裟な表現でいえば前世からのつながり!
このお店と私もそういう意味では「出会うべくして出会った」と言えるのではないでしょうか?
(なんという無理やりなコジツケ・・)
商標登録までして気合い入りまくりの「ぶためし」を「味はまあまあ」とか偉そうに書いてしまいましたが「特製元らーめん」は素晴らしかったので総合的には三ツ星です!
こういうお店の前を通りかかり、暖簾をくぐり、いまこうしてレビューとも感想文ともつかない文章をブログにつづっている・・・・、人生って面白いですね。予定調和を超える何かが毎日のように起こるから、ひとは生きるのに退屈しないのです。
「生きるのがつらい」という方もいらっしゃると思います。
私もたまにそういうこと、ふっと考えたりもします。
でも思うんです。
生きることを「楽しいか?辛いか?」で考えるから、辛くて耐えられなくなるんです。
この際、座標軸を変えて「予想外か?退屈か?」で考えてみてはいかがでしょうか?
辛い・・・ということは、とても波乱万丈な嫌な出来事があったということ。でも、それって退屈するよりずっといいじゃん!そういう考え方にシフトチェンジしてみてはいかがでしょうか??
またしても、ぜんぜん関係ない話に脱線しましたね・・・(-0-;)
今回はこの辺で失礼いたします!
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